結婚式本番

さてさて。
結婚式が始まるまで、退屈しきっていたわたしも、いざ式となるとちょっと緊張してきました。

実際の式の間は、子どもは参加することができず、遠い親戚の男の子と遊んで待っていました。

でも、着なれない、ちょっとおしゃれなワンピースに、髪も母と一緒に整えてもらったので、おとなしくしか遊べませんでした。
母に、服を汚すな、と、散々言われてましたからね。

男の子たちは、そんなことを気にせず、遊んでいたから、遊ぶにしてもちょっとストレスだったんです。

お色直しが多い!!
ようやく、披露宴会場から合流できたのです。

たぶん、招待された人は、軽く100人を超えていたのではないでしょうか?
大人になってからも、呼ばれた結婚式で、これほどのテーブルは見たことありませんから。

お迎えは白無垢のまま行い、披露宴会場へは色内掛けで登場。

黒をベースにしていましたが、何重にも重ねられているので、
中から見える黄色と赤の裾が目立っていて、黒と言っても金色や赤で模様が
入っているから、余計派手に見えますよね。
まるで、時代劇から抜け出てきた御姫様のようでした。

それからお色直しで出てきたのは、真っ白なウエディングドレス。

ふわふわで、裾がかなり広がったドレス。
スタイルのよいおねえちゃんだから着こなせたんだと思います。

招待客も、感心して見ていました。
ウエストほそー。
大人になれば、背も高くなるし、みんな綺麗になれるものだと思っていましたが、現実は厳しいものですね。
背中にふわふわのレースで大きなリボンが結ばれていました。
結婚に憧れはないのですが、結婚式に憧れるには十分すぎるくらい素敵なドレスでしたね。

それからカクテルドレスでのお色直し。

これも、めちゃくちゃ派手でした。
赤というかピンクというか、鮮やかに明るい色のドレス。
新郎さんも、白からグレーのタキシードへとお色直し。
髪型も替えていたからか、待っている時間が長い。

白いウエディングドレスのときに綺麗にアップされていた髪は、お色直しの間に、綺麗にカールして下ろされていたのです。
見た目的には、小学生のわたしにとって、このピンクとも赤ともいえるようなドレスの方が好きでしたね。
くるくるして下ろされた髪が、漫画に出てくる主人公のように見えましたし。

ただ、本人たちのいない間に、友人たちで行われた余興が、かなりの内輪盛り上がりで、小学生のわたしには訳がわからず、ただ退屈なものになっていたのが残念でした。

でも、最後の両親への手紙が読まれたとき、わたしもちょっと感動してしまいました。
子どものころに病気になったときのエピソードと感謝の気持ちが語られ、隣りの母が涙していたのをよく覚えています。

ようやく披露宴も終わりかと思いきや、なかなか会場から退室できなかったのです。
実はこのとき、3度めのお色直しに入っていたんですね。
ただ、招待客をお送りするだけのドレスに着替えるために。

長い時間待たされ、会場を出るとき、あの濃いピンクのドレスから、今度は黄色に変わっていたのです。
しかも、髪が肩辺りに短く見えるようにセットされ、小さな帽子が斜めにくっついていたのです。
どこかの国の貴婦人みたいでした。

確かに、綺麗な姿を見るのは、嫌いじゃなかったのですが。長い長い1日に疲れていたのか、それくらいなら早く見送って欲しかった、と子どもながらに腹を立てていたのです。
他の招待客の人は、どう思っていたのでしょうかね?

あと、たぶんあれは間違いなく引き出物ですね。
両親の席のところに置かれた、どでかい袋。
しかも、かなりの重み。

中身は何だったか忘れてしまったのですが、両親が、
「こんなの使えない」
と言っていた言葉だけは、はっきり覚えています。
高価だけれど、普段使いのできないものだったんでしょうね。

とにかく、時間が長くて疲れた1日でした。
しかも関西人のわたしですら、気恥しくなってしまうようなものでした。

おねえちゃんが綺麗だったことが、一番良かったかなぁ。